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ERIF(エリフ)

STORY / OUTDOOR GAS BOILER

HOT SHOWER SYSTEM 開発ストーリー
新開発 R-FLOW テクノロジー

文:岡島 梓

開発ストーリーOUTDOOR GAS BOILER
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「暮らしをあたためる炎のような存在でありたい」
ERIFに込めた願いが形になり、
「外遊び」を最高に楽しくできることがしあわせです。

ERIF初のプロダクト「アウトドアガスボイラー」の発表から1年後、車に積んで使える温水シャワー「ホットシャワーシステム」が誕生しました。水道さえあれば、お湯を切らさず供給できる「アウトドアガスボイラー」と見た目は同じながら、給水タンクから水を供給し、水道がなくても使える新たな温水ソリューションとなっています。
今回お届けするのは、モリタ工業と、トランスポーター専門店「オグショー」の出会いから生まれた「ホットシャワーシステム」の開発ストーリー。モリタ工業・前代表にじっくりお話を伺いました。

OGUshow HOT SHOWER SYSTEM
OGUshow HOT SHOWER SYSTEM

家庭用ガスボイラーの老舗メーカーであるモリタ工業とオグショーのコラボレーションにより、車に積んでどこでも温水シャワーが使えるHOT SHOWER SYSTEMが誕生しました。
https://www.ogushow.co.jp/hot-shower/

アウトドアガスボイラーの次なるミッションは、
電動ポンプでの稼働

まず、「アウトドアガスボイラー」と「ホットシャワーシステム」には、水の供給方法に違いがあります。水道につなぎ、水道圧を活かして水を送り込むか、小型電動ポンプを使い、給水タンクから水を送り込むか。「アウトドアガスボイラー」は水道につなぐだけで、水を瞬間的に沸かして心地よい温水を出せます。「ホットシャワーシステム」は小型電動ポンプと給水タンクで作動させるので、トランポ専用のアイテムとして車に積んで持ち運び、水道のないアウトドアスペースでも使うことができます。

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電動ポンプを使い、タンクの水を取り込んでお湯にする「ホットシャワーシステム」。

もともと、「アウトドアガスボイラー」の開発中も、水道のない場所でも使える湯沸器にしたいという思いはありました。タンクに貯めた水を「アウトドアガスボイラー」に取り込んで使えれば、災害時などに断水してしまっても温かなお湯を出せます。実現できれば、すごく意義があると感じました。
ただ、問題が山積み。まず「アウトドアガスボイラー」を動かせる電動ポンプを探しましたが、国内でつくっているメーカーさんはゼロ。取り寄せた海外製のポンプで動かしてみると、お湯が熱くなって安全装置が働き、お湯が出たり止まったり。想像以上に、厄介な開発になる予感がしました。

「この会社は何か違う」
アウトドアガスボイラーの可能性を拡げる出会い

オグショーさんから「アウトドアガスボイラーをECサイトで販売したい」とメールが届いたのは、2019年9月。オグショーは、トランスポーター(トランポ)のプロショップ。ご連絡をいただくまで「トランポって何?」状態でしたが、アウトドアを本気で楽しむ人たちに欠かせない、カスタマイズ車をつくっている会社なんだと知りました。

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ありがたいことに「アウトドアガスボイラー」への問い合わせは多方面からいただいていましたが、ERIFに込めた想いまでお客さまに伝えてくださる方に取り扱ってほしかった。なので、ECサイトでの販売はすべてお断りしていたんです。

ただ、オグショーさんの存在は心に残りました。WEBを見るだけで、社員の方がイキイキと働いている様子が伺えましたし、浜松に実店舗があり、自社ブランドもある。何より、プロのアスリートから支持されるトランポをつくっている。お客さまと一緒に「外遊びの楽しさ」を追求する真面目さに共感したことを覚えています。共同開発でもプロモーションでも、なにか一緒にできないかと私からご提案し、11月半ば、オグショーがある浜松に向かいました。

信念を一にする人たちと
「ホットシャワーシステム」を世に送り出したい

メールをやりとりしていた担当者さんと私が商談している最中、「どーも」と現れたのがオグショーの社長、小栗さんでした。席に着くなり、熱い語りがスタート。トランポでの給湯は長年の課題なのに、満足できる製品に出会えなかった。野外のスポーツやアクティビティを愛する人にとって、車に積んで使える温水シャワーが必要なんだと。
さらに、自身の取り組みやビジョンまで話してくれました。アスリートのセカンドキャリアを豊かにするため経営指導をしていること、バイクの楽しさを多くの人に感じてもらうために活動していること、カスタムカー業界を働きやすい環境にするため先陣を切っていること……この人は、まっとうだ。尊敬できる。そう素直に思いましたね。

その後、静岡の有名なハンバーグ店で小栗さんと食事をしていると、突然、
「社長は、ERIFで何がしたいの?」と訊かれました。
「モリタ工業として、お客さまに信頼されるブランドをつくっていきたいんです。これまで培ってきた技術は、風呂釜みたいに見えないところから暮らしを支えてきた。それも立派な仕事だけど、湯沸かし器を表舞台に出したい。社員にも、自分たちの仕事に今以上に価値を感じてもらいたい」

そんなことを言ったと思います。
「そうだよ、お客さまも社員もしあわせにするために、地道にブランドをつくるのが大事なんだよ!」
小栗さんはそう言って手をグッと差し出しました。男二人、席を立って握手するという……周りから見ればかなり謎の光景だったと思いますが(笑)、この人と、オグショーさんと一緒に、水道がなくても使える温水シャワーをつくりたいという思いが固まりました。

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「外遊びのプロ」小栗社長の熱量が、
モリタ工業の開発陣に火を点けた

しかし、「アウトドアガスボイラー」も決して安価な製品ではありません。電動ポンプを使う温水シャワーとなれば、それ以上の価格になるのは明らか。しかも、当時は「アウトドアガスボイラー」が世に出たばかりで、これから頑張って広めていこう! という時期でした。「次は『ホットシャワーシステム』やるぞ!」と、社長の私だけが盛り上がっても、社員はすんなり納得できないはずです。

それでも小栗さんは「これまでにない価値を創るんだから、これでも安いくらい。オグショーはその価値をわかっているから、ちゃんと売る。一緒につくろう」と言ってくださった。さらに、当社の開発陣にも温水シャワーの必要性を伝えたいと、当社まで来てくれたんです。私の浜松訪問から10日も経たないうちに。今思うと、お互いなかなかのフットワークですね(笑)。

社員は、小栗さんの行動力にまず驚いていました。そして、小栗さんが乗ってきたフルスペックのトランポを見てテンション上がってましたね。ものづくりをする同士、すぐ分かるんです。真っすぐな床張り、丁寧なコーキング。オグショーさんのこだわり、お客さまのよろこびのためにつぎ込まれる技術力をそのトランポが証明していました。

後々、開発に取り組んでくれた社員に訊くと「あれだけ熱っぽく『温水シャワーがあれば、外遊びが最高に楽しくなる。君たちならそれを創れるんだ』って言われたら、意気にも感じますよ」と言ってましたね。「ホットシャワーシステム」を待っている人がいる。その単純な事実が、技術者の心に火が点けた瞬間でした。

トランポ
フルスペックのトランポ

「アウトドアガスボイラー」開発で
培われたノウハウが、新商品のベースに

ここから「ホットシャワーシステム」開発の山あり谷ありストーリーを語りたいのですが、実は小栗社長の来訪からわずか3か月ほどで開発の目途が立ち、試作機も完成していました。この異例ともいえるスピードは「アウトドアガスボイラー」での経験が活かされたからだと思います。

「アウトドアガスボイラー」は2015年から構想し、2016年から開発、2019年10月の発売まで約4年半を費やしました。未知の製品づくりに挑むことで技術面の知見が格段に増え、販売までに必要なテスト環境も揃っていた。当時、社員には苦労をかけましたが、おかげで「ホットシャワーシステム」開発のベースが整えられていたといえます。
加えて、これまでのOEM経験も生かされました。OEM商品は、今回だとオグショーさんの名前で販売されるもの。信頼を決して損なわないように、細かなところまで気を配りました。

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オグショーのロゴ印刷、取扱説明書づくりなど、これまでのOEM経験が生かされている。

開発中、活発にやりとりしたのは湯温と湯量についてです。「冬場こそ温水のありがたみがわかる」と語る小栗さんは、高めを希望。開発陣は、万一のやけどリスクを避けたいのでできるだけ低温にしたい。湯量についても意見は分かれましたが、試作機を持ってオグショーにお邪魔して、小栗さんにも直接お湯に触れてもらいながら納得しあえるポイントを探りました。

お客さまの幸せなひとときのために。
トランポづくりにも似たものづくりの楽しさ

技術面の話をすると、水道圧よりも低い水圧でお湯を出さなければならないので、機器内部の給水給湯経路を見直しました。流量と温度をポンプの能力に合わせて制御することで、安全で安定的な給湯を実現。この技術が、新開発のR-FLOW(アールフロー)テクノロジー(特許出願中)です。車に積んだ際の振動やショックに対する実証試験も行いましたし、稼働を支えるポンプの選定にも苦労しましたね。

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無事「ホットシャワーシステム」の発売が始まり、開発陣は「使う人のことだけを考えて開発できることに、やりがいを感じていた」と話してくれました。ものづくりには、コスト、時間、その他さまざまな条件があります。それでも「お客さまが幸せになれるか」という条件だけは一番に満たすこと。オグショーさんとの共同開発で、改めて学んだ気がします。

アウトドアを楽しんだ後もしあわせ続く。
心もあたためる「ERIF」の未来

「ホットシャワーシステム」は、使えばその価値を感じてもらえると信じていますが、決してポンと買える価格帯ではないことも確か。なので、まずはアウトドアスポーツのプロ選手や、アウトドア系の施設などにお使いいただけたらと考えています。バイクのレーサーやMTB選手、サーファーなど、自然の中で戦い、自然と一体となって全力で遊ぶ方にぜひ体感いただきたいですね。

私自身も「ホットシャワーシステム」の愛用者。趣味の釣りで使う道具を庭で洗うのですが、寒い日でもお湯だと心ゆくまでじっくり洗えます。お湯のシャワーであたたまりながら丁寧に道具を洗い、手入れするのが至福のひとときです。「寒い日の外遊びの後こそ、気軽にお湯が使えるしあわせを感じる」と力説された、小栗さんの言葉が実感できました。

また、当初の目標だった災害時の給湯器具としても使っていただきたい。特に寒い中、水で手足を洗ったり、洗い物をするのはつらいですよね。そんなときにも、衛生的な環境を守れる道具でありたい。これからも「アウトドアガスボイラー」をシンプルにして、より安価な防災用品として提供したり、軽量化に挑戦したりと、お客さまによろこんでいただけるバージョンアップに取り組んでいきたいです。

OGUshow HOT SHOWER SYSTEM

家庭用ガスボイラーの老舗メーカーであるモリタ工業とオグショーのコラボレーションにより、車に積んでどこでも温水シャワーが使えるHOT SHOWER SYSTEMが誕生しました。

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